イカメタルで使えるレバーブレーキリール

イカメタルでレバーブレーキリールは使えるのか？

レバーブレーキリールは、主にチヌやグレといった魚のフカセ釣りで用いられることが多いリールです。ドラグを瞬時に緩めたり締めたりできるレバー機構が特徴で、魚の突っ込みに対してラインテンションをコントロールしやすい点が強みとされています。

一方、イカメタルは水深30〜60mほどを狙うことが多く、カウンター付きの小型ベイトリールで仕掛けを上下させつつ細かいアタリを取る釣り方が主流です。レバーブレーキリールは基本的にスピニング構造が多く、深いタナの管理や高速巻き上げ、頻繁な仕掛けの上げ下げにはそれほど特化していません。

ただし、イカメタルが「ラインを送り込み、誘い、アタリを合わせる」という作業の繰り返しである以上、物理的にレバーブレーキリールが使えないわけではありません。極端に言えばスピニングリール全般でイカメタルをやることもできるため、レバーブレーキリールも同様に使用可能です。ただし、イカメタル専用リールほどの操作性や軽量性は望めず、タナを正確に把握する工夫が必要になるでしょう。

イカメタルでレバーブレーキリールを使うメリット

1. ドラグの素早い微調整ができる

レバー操作だけでドラグの締め込みや緩めを瞬時に切り替えられるため、大きなイカやイカ以外の大物（青物など）がヒットしたときに主導権を取りやすいという利点があります。イカ釣りでは激しい突っ込みはあまりないものの、予期しない外道がかかった際に活きる場面があります。

2. 手持ちのリールをそのまま使える

新たにイカメタル専用リールを購入せずに済むため、初期費用を抑えられます。イカメタルに興味を持ち始めた段階で、まずは手軽に挑戦してみたいという場合には、レバーブレーキリールを流用するのも一つの選択肢です。

3. レバーブレーキ操作に慣れている場合は安心感がある

フカセ釣りや堤防でのチヌ釣りなどを経験していて、レバーブレーキリールの操作に馴染みがある方にとっては、フォール中のラインテンションやイカが乗った瞬間のやり取りを直感的に行いやすいという利点があります。慣れている道具を使うことで余計なストレスを感じにくくなるでしょう。

イカメタルでレバーブレーキリールを使うデメリット

1. タナ管理がしづらい

イカメタルでは「何メートルの水深でアタるか」を正確に把握し、同じポイントを繰り返し狙うことが釣果に直結します。カウンター付きベイトリールなら深さがひと目でわかり、クラッチやサミングで落下スピードを微調整しやすいのに対し、レバーブレーキリールには通常カウンター機能がなく、落下速度のコントロールも難しい場合があります。そのため、着底や釣れる水深を自分で数えるなど、余分な手間が増える可能性があります。

2. リール自体が重く、疲労が蓄積しやすい

レバーブレーキ機構を搭載している分、同クラスのスピニングリールに比べて重量が増す傾向があります。イカメタルはロッドを常に握りながら上げ下げを繰り返すことが多く、リールが重いと長時間の釣行で手首や腕に負担がかかりやすくなります。

3. 巻き取り速度やギア比が不足することがある

イカメタルでは、回遊しているイカの群れを素早く探ったり、空振りしたときにいち早く仕掛けを回収して再投入するなど、高速巻き取りが求められるシーンがあります。レバーブレーキリールは耐久性やドラグ性能を重視したモデルが多く、ギア比がそれほど高くない場合もあり、手返しの面で不利になる場合があります。

4. 細いPEラインとの相性に注意が必要

イカメタルではPE0.4〜0.8号といった細めのラインを使うことが多いですが、レバーブレーキリールはナイロン2〜3号程度を想定していることが多いです。スプール形状によっては、極端に細いラインを使うと巻きムラやライントラブルが起きやすくなる可能性があります。そのため、下巻き量を調整したり、巻き方に注意する必要があるでしょう。